君を想う


瞳子さんは来客と話しをしている藤崎斗真に時々視線を送っていた。
瞳子さんは藤崎斗真が実は口が悪いって知らないんだろうな……知っていたら好きになんてならないよね。


チラッと見ると今日はグレーのスーツを着こなしていた。
視線があった気がした。また

「藤崎さんがこっちに来る」
えっ……。


「急がしいとこ申し訳ないんだけど、これから喫茶室を使いたいんだ。いいかな?」

「喫茶室ですか?開いているから使えますよ」


返答は瞳子さんに任せた。
今日はえらく下手な態度。
毒舌もなく、バカにした言い方でもない。イケメンらしく爽やかな笑顔で瞳子さんに接している。


態度が違うのは相手が瞳子さんで仕事が出来て美人だから?
私の事は気に入らないからヒドイ言い方をしてくるのかもしれない。


「二人分のコーヒーの用意をしてほしいんだけど」


「分かりました直ぐ用意をします」


受け答えをした瞳子さんは立ち上がった。


「出来たら藍川里奈さんにお願いしたいんだけど」


「えっ、あの……」

私?

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