君を想う
カップを温めてなかったんだ。
だから何か足りない気がしたんだ。
「合格点には、まだ足りないけどこれなら飲めそうだな。飲み終わったら声をかけるから、戻っていいよ」
コーヒーを持ってお客様のいるテーブルに行ってしまった。
なんとか飲めそう……か。
この間よりはましかもしれない。
だけど何?90点て?
試験じゃないんだから点数なんてつけないでよ。
喫茶室を出ると一気に緊張が解けて力が抜けた。
とりあえず、毒舌もなくて不快な思いもせずに済んで良かったよ。
ホッとしたのも束の間、受付に戻ると瞳子さんの尋問が待っていた。