君を想う



「どういう事?」と瞳子さん軽く睨みをきかせて迫って来た。
眉間にシワを寄せて美人が台無し。


「瞳子さん、顔が怖いです」


「白状しなさい。あの日、喫茶室で何かあったのね?じゃないと指名なんて事にならないはずよ?」


たしかにあの日は、色々あった。
美味しいコーヒーの淹れ方を教えてくれたことには感謝だけど、その後が酷い。
レベルが下がっただの役に立たない……更には残念な受付嬢だなんてそこまで言わなくてもいいじゃない。


「藤崎斗真ってイケメンだけど サイテーですよ」


「里奈?」


喫茶室での出来事を話すと、瞳子さんは信じられないと繰り返した。



「ホントに、そんな事言ったの?」


「言いました。至らないのは自覚しているんです。でも残念な受付嬢はないですよっ。口が悪すぎます」

「信じられない。私ね半年位、開発事業部で藤崎さんと一緒だったのよ。
確かにあの頃の寡黙なイメージとは違って変わったような気がするけど……そんな事を言うような人じゃないと思う」


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