君を想う

「さっき喫茶室で会った時に、いつもと様子が違って見えたから具合が悪いのかと気になったんです」


「具合ですか……？」


別に具合は悪くない。
あの時は、藤崎斗真のことでイライラしていたから顔に出てしまっていたのかな。
こんなんじゃダメだな……まだ仕事は終わってないんだし集中しないと。


「大丈夫ですよ。具合は悪くはないですから」


「そうですか。安心しました」


「田辺さんに心配をかけてしまって、すみませんでした」

イライラしていただけなのに、心配までしてもらって申し訳ない。




「こっちが勝手にしただけですから。とにかく安心しました。僕はこれで帰ります。それでは」



田辺さんって優しそうな人だと思っていたけどホントにいい人だ。