君を想う
午後5時半、仕事が終わり着替えて早めに会社を出た。
一階フロアに藤崎斗真がいるんじゃないかと、ちょっと心配になったけど、まだ来ていなくてホッと息をついた。
たとえ会ったとしても行けないとはっきり言えば良いだけなんだけど。
私が行けない代わりに総務の長橋さんが行くことになったし断っても大丈夫なはず。
それにしても、瞳子さんは藤崎斗真が戻って来てから、すっかりクール美人のイメージが変わっちゃったな。
今まで何人もの男の人に食事や飲みに誘われても断っていたのに。
仕事が出来て頼りになるし。男の人の誘いをバッサリ切る。
そんな瞳子さんをかっこいいなと思っていた。
藤崎斗真が戻ってきてからの瞳子さんはまるで別人で
乙女全開。
藤崎斗真だけに真っ直ぐに向かっているそんな感じ。
そんな瞳子さんを羨ましいと思う。
今、私には真っ直ぐに想いをぶつける相手もいないから。