君を想う
「おはようございます。昨日は楽しめましたか?」
「おはよう。はぁ……」
朝、瞳子さんに早速、昨日の事を訊くとため息をついて項垂れてしまった。
何だか雲行きが怪しい。
「ダメになったの」
「ダメになったってbarには行かなかったって事ですか?」
「昨日はあれから総務の長橋さんを連れて待ち合わせの一階フロアに行ったんだけど急に言い出しっぺの藤崎さんが行けなくなったって言い出したの。急用なら仕方ないけど……楽しみにしていただけにがっかりしたわよ」
瞳子さん楽しみにしていたのに中止になったんだ。
「でも、長橋さんには誘ったのにダメになったなんて悪いから二人で知ってるお店に食事にだけ行ってきたの」
「じゃあbarには行かなかったんですね。残念でしたね」
「それが仕切り直しで、今度の金曜日に行く事になったから」
「そうなんですか?」
「今度は日にちが先だし、里奈も予定に入れといてね」
はい?
「どうして私も何ですか?」
「それがね。藤崎さんがもう一人連れて来たのが中里亘さんて人で、分からないかな?ほら開発事業部の人なんだけど」