君を想う


そして、退社時間になった。


「里奈、どう?」


念入りなメイク、でも濃すぎない。
制服から着替えた瞳子さんが、いつもとは違う服装だと気付いた。
瞳子さんは普段はパンツスタイルが多い。
でも今日はロングスカートを履いている。


長身の瞳子さんに良く似合っていて。羨ましいな……私が着たら多分引きずってしまう。


「里奈、どうかな?変じゃない?」


「とても似合ってます」


瞳子さんに比べて……自分は……あまりパッとしない格好。


「どうしたの?」


「私も、もう少し身長があればロングスカートを履いても違和感なく着こなせるのかなぁと思って……」


「今来てるワンピ凄く里奈に似合ってるよ。
そういうのは小柄だから似合うんだと思う。
私が着たら多分おかしいし似合わないよ。
私には可愛らしいものって似合わないんだよね……前にもう少し背が低かったらって悩んだ時期もあったけど……お互いに無い物ねだりだね」


私達はそろそろ藤崎斗真達が来てる頃だと一階フロアの待ち合わせ場所に向かった。


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