君を想う
会社内では制服に指定の靴を履いている。
靴はヒールのないもので今、履いてるのはヒールのある靴。
「今は、ヒールのある靴を履いているんです。だからちょっと高くなったように感じるんじゃないですか」
「へー、そういう事かなるほどな……」
何回も確かめるように私の頭の上と藤崎斗真の体を手が行き来した。
「どうせ……低いです」
「ん、なんか言ったか?」
呟いた言葉は聞こえなかったようだ。
「何でもないです」
立ち止まって話していたため、気が付くと前を歩いていた瞳子さん達とは距離が離れてしまっていた。
「行かなくていいんですか?瞳子さん達とかなり距離が離れてしまいましたよ」
「もうそこだし、先に行っててくれても問題ない」
問題ならある。私とこの人が遅れていったら瞳子さんが変に思うかもしれない。
「藤崎さん、早く行きましょう」
「おいっ」