君を想う
「そうか、じゃあノンアルコールのカクテルもあるからさ、それにする?」
「はい」
里中さんはメニューのノンアルコールのカクテルのところを示して何にするか訊いてきた。
「じゃあ、これにしようかなぁ」
メニューは名前だけでなく写真付きだったからキレイな色に惹かれて選んだものを頼んだ。
barには二時間ほどいたけど、そろそろ帰ろうと言うことになり会計を済ませて外に出た。
「里奈ちゃん、家はどっち方面?」
帰る方向を中里さんに訊かれて答えた。
「だったら、藤崎、送っててやれよ。瞳子ちゃんはオレが送るからさ」
「「えっ!!」」
私と瞳子さんは同時に声を出した。
「確か瞳子ちゃんは大学病院の近くだって言ってたねオレと同じ方向だし一緒にタクシーで帰ろうか」
「でも……」
瞳子さんの視線は藤崎斗真に移った。