君を想う


「瞳子さんの勘……ですか?それだけでそんな事を言われても……」


「里奈は信じてないようだけど私の勘は結構、当たるんだよ」


「そうなんですか?」


「もしかしたら……近い内に何かあるかも?告白されたりしてね……」


「それも瞳子さんの勘ですか?」

私に関しては当たっていないんじゃないかと思う……地味で平凡でさえない私に告白してくれる男性が現れるとは思えない。

「うん、そんな気がしてきた。もしかしたらの話しね?そうなったらどうする?田辺さんなら誠実そうだし付き合ってもいいんじゃないかな?」



もしそんな事が起きたとして私が田辺さんと付き合う?……なんかピン!!と来ないよ。


「ピン!!と来ない?そんな事を言っていたら彼氏なんて、いつまでも出来ないわよ」


恥ずかしながら彼氏は今まで、出来たことがない。
だからかな男性との付きあいと言われても……そんな自分は想像しにくい。


帰り際、人事管理部の長谷川さんが瞳子さんに声をかけてきた。


「宮内さん今日空いてるかな?
美味しい料理のフルコースが食べられるお店を見つけたんだけど一緒にどうかな?」


「ごめんなさい。残念なだけど先約があるのよ」

そう言って私の隣に瞳子さんは立ちそこで初めて長谷川さんは私の方に視線を寄越した。


私は見えてなかったのね。


いつもの事だから、慣れている。
実際に瞳子さんは美人でスタイルも良く羨ましい。
そんな瞳子さんには男性社員から時々こうして、お声がかかる。


対して美人でもなく、小柄で平凡な私は男性社員の目には映らないらしい。
声をかけられる事もなく自分から話しかける勇気もないんだから彼氏のいる生活なんて私には程遠い。



















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