君を想う


「もったいないですよ。せっかく貰ったのに行かないなんて。私、付き合います。一緒に映画を見に行きましょう」


田辺さんは驚いた顔をした。


「えっ?ホントに?ホントにいいんですか?」


驚いた顔が嬉しそうなニコニコ顔に変わった。
よっぽど見たい映画なんだ。

「はい、それでどんな映画なんですか?」


田辺さんの見たいと言った映画は最近、何度もテレビで宣伝していた。私も見たいなと思っていたものだったからちょうど良かった。


「今度の日曜日は、どうですか?」


日曜日はたしか何も予定は入ってないはず……。


「日曜日ですね、大丈夫です。行けます」


「では今度の日曜日に場所は……じゃあ日曜日に待ってます」


「分かりました。その時間に行きますね」


「田辺さん!!」



「あれっ、藤崎さん?」


振り向くと後ろには藤崎斗真が立っていた。


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