君を想う
「田辺さんが噂の事を聞いたらしくて里奈に電話をくれたんです」
瞳子さんっ……余計なことを言わなくていいのに。
「なんだ、噂は収まったんじゃないのか?
しかも田辺さんのとこまで話しがいくとか……意味ねぇな。
それで何かキツイ事を言われた?迷惑だとか」
「違いますっ。田辺さんは大丈夫かって心配してくれたんです……でも申し訳なくて……田辺さんが責任を感じる必要なんてないし」
「へ~、藍川さんの事をわざわざ心配して掛けてきたんだ。田辺さんて優しいじゃん」
なんか……引っ掛かるような言い方……
藤崎斗真は腕時計を見ながら「あっ」と声をあげた。
「俺、そろそろ行かないと。じゃあ」
藤崎斗真は一階フロアに降りて行った。
「知らなかった藤崎さんと田辺さんて仕事の付き合いあったんだね……」
「そうみたいですね」