君を想う


「藍川ちゃん正気なの?」


「いきなり何ですか?」


「だって今の人は開発事業部の中里さんでしょ?」


「早瀬さんは中里さんのことを知ってたんですか?」


「もちろん、知ってたよ。中里さんて社交的で話し上手だし顔もいいからモテるのよ。
それに優しいし場の空気は読めて一緒にいる女の子を飽きさせないんだって時々お持ち帰りもあるみたい。私は誘われた事がないけど誘われたら絶対に断らないよ」

お持ち帰り……。

「だったら、瞳子さんに言って早瀬さんも一緒に行くってのはどうですか?」


「ダメでしょ。中里さんは藍川ちゃんを誘いたかったみたいだし私とは話したことないないもの。でもね、さっき私に向かって笑いかけてくれたんだよ。
いいよね、癒される笑顔って」



中里さん……いつでも、あのモットーは健在ってことか。


「最近シンガポールから戻ってきた藤崎さんもイケメンだよね。二人は同じ職場で仲もいいみたいで良く一緒にいるよね。でも、藤崎さんは大勢で飲みに行くのとかは苦手だから一緒に来ても途中で帰っちゃうって聞いたことがある」


「途中で帰っちゃうってホントですか?」


「中里さんに誘われて行ったことがある何人かの女子から聞いたから間違いないよ」


「そうなんですか」


この間は最後までいたけど、たまたまかな……。



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