君を想う


更衣室で着替えて帰ろうとしたらスマホのメールのお知らせの音が小さく鳴った。


「なんだろう……」


開いて確認してみると……



《今すぐ開発事業部に来い。

藤崎》とあった。


何で藤崎斗真からメール?番号なんて教えてないのに、もしかして瞳子さんから聞いたのかな。
この間みたいに何かやれとかいうんじゃ……行くの面倒。
そうだ、断りのメールをいれてこのまま帰ろ。


今日は無理です。と返信してスマホをしまった。
これでよしと。
帰ろうとしたら振動に気づきバッグから出すと今度は電話が掛かって来ていた。

タップして耳にあてると不機嫌な声が聞こえてきた。

『話しがある。今すぐ来い、逃げたらただじゃすませないからな』
言いたい事だけ言って直ぐに切れた。


「あっ、ちょっ……何なのよぉ~もうっ」


思わず大きな声で叫んでしまい。
ハッと口に手をやり回りを見回したら。
数人がこっちを見ていた。

うわぁ……気まずい。


「な、何でもないんですよ……本当に何でもないですから……お、お騒がせしました」

視線が痛い……。
はぁ……。
全く何でまた、開発事業部になんて行かないといけないの。







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