君を想う
この間と同じように外から覗けば藤崎斗真一人だけがデスクで何か書いていた。
この間と同じように真剣にやっていて声がかけずらい。
区切りが付くまで、待った方がいいかな。
「何、突っ立ってんだ。早く入って来いよ」
藤崎斗真顔を上げて近くに来るように手振りで示した。
「来たなら声かけろよ。それに何で入って来ない」
「だって真剣に仕事してたし声かけずらくて邪魔したら良くないかなと思って」
「別に邪魔じゃない。今度から遠慮しないで声かけろよ」
今度……。
「まさか、これからも何度も呼びつける気ですか?」
「あたりまえだろう、この程度で悪魔呼ばわりした罪が消えると思ってたか?」
もう、これで解放してほしい。
「今回で呼び出しは勘弁してもらえないでしょうか?」
「それは無理だ」
バッサリ切られた。