ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
「じゃ、俺、帰るわ」


哲は手を振って帰る。

哲と別れた俺達は、二次会の会場であるカラオケ店へ向かった。


「なぁ。お前、いつまでくっついてるわけ?」


カラオケ店に向かう途中、奈緒はずっと俺の腕に自分の腕を絡ませていた。


「えぇー。ダメ?」


“ダメ?”って……

この辺りで、俺らよく飲んでいるんだよな。

まぁ、今日は土曜日だし、仕事は休み。

だから、仕事終わりに飲みに行くって事はないけど。

って、佐々木は今日、休日出勤しているんだった。

他の同期達は、俺と同じく休みだろうけど。


“七海に見られて、誤解をされたくない”

今日、飲んでいる事はないだろけど、一瞬でもそんな事が頭を過った俺って、本当に諦めが悪いよな。


「会社のヤツらと、この辺りでよく飲んでいるんだよ」


はぁ、とため息を吐きながら、俺は奈緒の腕を離そうとする。


「ふぅーん。誤解されたらマズイ人とかいるの?あっ!悠也って、今彼女いるの?」

「いないよ」

「なら、いいじゃん」


そう言って、奈緒はぎゅっと俺の腕に抱き付く。


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