ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
「そういう意味じゃないよ。悠也ってさぁ。昔から自分の事より相手の事を考えるでしょ?」

「そんなつもりはないけど……」

「悠也はそんなつもりないかもしれないけど、そうなの!昔から悠也は優しかったよ」


そう言って、奈緒はにこっと笑う。


「奈緒だって昔と変わらないよな」

「何よ!またそれを言うの!!私だって変ったんだから!」


俺の言葉に、奈緒はまた頬をぷぅっと膨らます。


「拗ねるなよ」


俺は、また奈緒の頭をポンポンと撫でる。


「奈緒ってさ、昔からいつも笑顔じゃん。嫌な事があっても、みんなの前では絶対笑顔でいるだろ?それってすごいよ」

「そんな事、ないよ……」


俺の言葉に、奈緒は顔を真っ赤にして、嬉しそう照れていた。


「ねぇ……。悠也、あのね……」


何かを言おうとしたが、奈緒は言葉を詰まらせ、俯く。


「どうした?」


何かあったのか?


心配になり、俯いている奈緒の顔を覗き込む。

すると、奈緒は手のひらをぎゅっと握りしめ、


「私ね……。私……、中学の頃から、ずっと……、ずっと悠也の事が、好きだったんだ」


顔を真っ赤にして、そう言った。


< 22 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop