ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
頭ではわかっている。

わかっているんだけど、奈緒が高橋先輩の事を好きだと言ったり、高橋先輩と話している時に顔を赤くしていたから。

そんな奈緒を見ていたら、聞きたくなったんだ。

“高橋先輩の事、どう思っているんだ?”って。


「なのに、何でそうなるの?何で、そんな事を言うの?櫂とよりを戻すって……、そんなわけないじゃん……」


奈緒の目から、涙が零れ落ちる。

泣かすつもりなんて、なかったのに……


「奈緒、ごめん……。高橋先輩の事をどう思っているか聞いたら、奈緒が高橋先輩の事を好きだって答えたから……」

「それは、悠也が“好き”か“嫌い”かで聞いたから……。だけど、上手く言えないけど、櫂の事は好きだよ。でも、その“好き”っていうのは、人として好きっていうか……。とにかく、櫂に対しての好きと、悠也に対しての好きの気持ちは違う」


奈緒は目に涙を溜めながら、そう言ってくれた。


そっか……


奈緒の言葉を聞いて、俺はホッとする。


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