ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
飲みながら、“最近、仕事はどうだ”とか話していると、


「あっ、そうだ。なぁ、悠也。高校の同窓会のハガキ届いた?」


陽輝が俺を見る。


「あぁ……。そういえば、届いていたな」


数日前に同窓会のハガキが届いていた。


「悠也、行くだろ?」

「あぁ、陽輝も行くだろ?」

「あぁ。アイツらに会うのもかなり久しぶりだよな」

「そうだな」


陽輝や哲とはたまに連絡を取ったりしているけど、奈緒や綺那とは就職をしてから、連絡は取っていない。

まだ聞いていないけど、同窓会に哲はきっと来るだろう。

奈緒や綺那も来るのであれば、またみんなで騒げるだろうな、と、昔を思い出しながら懐かしくなっていた。





8月のある土曜日――…


俺は、同窓会の会場に向かった。

そして、会場に着くと、すでに結構な人数が集まっていた。


「久しぶり」


そんな挨拶を交わしながら、先に会場に着いていた陽輝と哲の元へ行く。


「結構、集まっているな」


俺がそう言うと、


「ほぼ全員来るらしいぜ」


哲がそう答える。

そして、「あっ」と言って遠くに視線を向ける。

哲の視線の先に目を向けると、そこには、俺が高校の時に付き合っていた元彼女の松下 栞(まつした しおり)がいた。


「あんな可愛い子を振るなんて、お前、もったいない事したよなー」


哲は栞に視線を向けたまま、そう言った。


「俺、振ってないし……」


俺は栞に視線を向けたまま、当時の事を思い出していた。


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