ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
俺と栞は、2年の時に同じクラスになり、知り合った。

まぁ、栞は入学早々“可愛い”と有名だったから、俺は栞の事を一年の頃から知っていたけど。


2年の秋。


その栞から、俺は告白をされた。

俺も栞の事を意識していたから、もちろん返事はOK。

そして、俺達は付き合う事になる。

3年になっても同じクラスになれて、栞はすごく喜んでいたし、俺も嬉しかったのを覚えている。

高校生の時の俺達は、喧嘩をする事もなく、仲良く過ごしていた。

高校を卒業し、大学は別の学校に進学した。

大学に入ってからの俺は、バイトや友達と会う事を優先し、栞の事をほったらかしにしてしまった。

元々、俺はマメに連絡を取る方じゃないから、今思えば、栞は寂しかったんだと思う。

だから、大学に入ってからの俺達は、たまに会っては喧嘩をしていた。

そして、しばらくして、栞から別れを告げられたんだ。


俺の視線に気付いたのか、栞は俺の方を見て、にこっと笑う。


「久しぶりに再会して、また付き合っちゃう?」


俺と栞を見ていた哲が、ニヤニヤとしながら言う。


「いや、ない」


その答えに哲はすごく不服そうな顔をしていた。

フラれたけど、俺はまだ七海の事をふっ切れていない。

七海は友達だし、諦めようとしているけど、今はまだ他の誰かを好きになったり、付き合ったりする気になれない。

それに、栞はあんなに可愛いのだから、彼氏くらいいるだろう。


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