ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~
「お前、変わらないな……」


俺は呆れながら、俺の前の席に座った奈緒を見る。


「ちょっと!久しぶりに会ったんだから、“綺麗になったな”とか、言えないわけ?」


ムッとした表情で奈緒は言う。


「奈緒、綺麗になったな」


俺の隣に座る哲が、真剣な表情でそう言って奈緒を見る。

が、


「てっちゃん……。全く思っていないでしょ」


奈緒はムッとしたまま、哲を睨む。


「あっ、バレた?」


そう言って、哲はにこっと笑う。


「もう!陽輝ー!何とか言ってよー」


このメンバーでは、陽輝がまとめ役。

というより、面倒見のいい兄的存在だ。

奈緒はそんな陽輝に助けを求める。


「奈緒。お前も黙っていれば言われたかもしれないのに……」


だけど、陽輝にまで、そんな事を言われていた。

その言葉に、俺と哲は“うん、うん”と頷く。


高校生の時の奈緒は、髪はベリーショートで先輩後輩関係なく、女から「カッコいい」と言われ、かなり人気だった。

まぁ、奈緒の見た目はいいから、男からもよく告白をされていたけど。

だけど、久しぶりに会った奈緒は、髪は肩より長めで、ふんわりとパーマがかかっていて、可愛らしい女の子という感じになっていた。

まぁ、陽輝の言う通り、黙っていればだけど。


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