人格障害の子に恋をした
僕の通っている大学は神城県神城市内にある、神城県立大学。大学の最寄り駅は、神城駅だ。とても覚えやすい。僕と町田さんは一緒に神城駅へ向かった。
「新藤くんは、リハビリ学科だっけ?」
「そうだよ。じいちゃんが病気したとき、一生懸命リハビリしてる姿見て、それを支える理学療法士さん見てたら、俺もじいちゃんみたいに頑張ってる人を支えたいと思ったんだ。」
熱く語っている自分が急に恥ずかしくなって、町田さんに話を振った。
「町田さんは、看護師になりたいんだよね。」
彼女は急に困ったような表情をしたと思ったら、少し笑った。
「私、看護師になりたくないんだ。」
「え、でも何で看護学科なの?」
僕の頭の中に沢山のハテナが浮かんでいる。
「入れる大学、ここしか無かったから。本当は違う大学の違う学部に行きたかったんだ。でも、何て説明したらいいのかな、色々あって…」
人にはみんな色々な事情があるからあまりと問い詰めないほうがいいかと思い、話を一旦やめることにした。
「ごめんごめん、話したくないこともあるよね。」
僕の発言を半ば無視するようにして彼女は続けた。目つきがいつもの町田さんとちょっと違う。目の奥から怒りのようなものを感じた。
「私、浪人してるんだ。だけど、私、全然結果残せなかった。そういうわけで、歳は一個違うの。」
「え!全然年上に見えないよ!むしろ、年下みたい。どうしよう、敬語使った方がいいですか?」
彼女はどちらかというと童顔で、こんな言い方ばかりするのは良くないかもしれないが、大人っぽさよりも可愛い印象だった。
「敬語なんて使わないでいいよ。今まで通りで。」
にこ、と笑った顔は、いつもの町田さんに戻っていた。
ホームで電車を待っていたが、到着した電車は帰宅ラッシュで大変混雑していた。
「町田さん、大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
無理矢理乗り込んだがかなりぎゅうぎゅう詰めで、町田さんとはぴったりくっついてしまった。
髪の毛からいい匂いがする。ありがとう、満員電車。
「荷物持とうか?」
「大丈夫だよ。ありがとう。」
「いや、ひとつかしてよ。」
小声でやりとりする。最終的には町田さんが折れてくれた。荷物を僕に渡す。
「ごめん。ありがと。」
電車から降りたら町田さんは乗り換えるため、僕たちは「またね」と挨拶して、違う方向へ向かった。
「新藤くんは、リハビリ学科だっけ?」
「そうだよ。じいちゃんが病気したとき、一生懸命リハビリしてる姿見て、それを支える理学療法士さん見てたら、俺もじいちゃんみたいに頑張ってる人を支えたいと思ったんだ。」
熱く語っている自分が急に恥ずかしくなって、町田さんに話を振った。
「町田さんは、看護師になりたいんだよね。」
彼女は急に困ったような表情をしたと思ったら、少し笑った。
「私、看護師になりたくないんだ。」
「え、でも何で看護学科なの?」
僕の頭の中に沢山のハテナが浮かんでいる。
「入れる大学、ここしか無かったから。本当は違う大学の違う学部に行きたかったんだ。でも、何て説明したらいいのかな、色々あって…」
人にはみんな色々な事情があるからあまりと問い詰めないほうがいいかと思い、話を一旦やめることにした。
「ごめんごめん、話したくないこともあるよね。」
僕の発言を半ば無視するようにして彼女は続けた。目つきがいつもの町田さんとちょっと違う。目の奥から怒りのようなものを感じた。
「私、浪人してるんだ。だけど、私、全然結果残せなかった。そういうわけで、歳は一個違うの。」
「え!全然年上に見えないよ!むしろ、年下みたい。どうしよう、敬語使った方がいいですか?」
彼女はどちらかというと童顔で、こんな言い方ばかりするのは良くないかもしれないが、大人っぽさよりも可愛い印象だった。
「敬語なんて使わないでいいよ。今まで通りで。」
にこ、と笑った顔は、いつもの町田さんに戻っていた。
ホームで電車を待っていたが、到着した電車は帰宅ラッシュで大変混雑していた。
「町田さん、大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
無理矢理乗り込んだがかなりぎゅうぎゅう詰めで、町田さんとはぴったりくっついてしまった。
髪の毛からいい匂いがする。ありがとう、満員電車。
「荷物持とうか?」
「大丈夫だよ。ありがとう。」
「いや、ひとつかしてよ。」
小声でやりとりする。最終的には町田さんが折れてくれた。荷物を僕に渡す。
「ごめん。ありがと。」
電車から降りたら町田さんは乗り換えるため、僕たちは「またね」と挨拶して、違う方向へ向かった。