卑怯だよ!
ピンポーン。
玄関の呼び鈴が鳴り響く。
一瞬、居留守を使おうかと躊躇ったけど、母にバレたら厄介なので対応しようと玄関に向かった。
「はい。どちら様ですか?」
用心の為、ドア越しから声をかける。
「…真紀。」
「えっ?」
「真紀だけど。」
―何で真紀が?
学校は昼休みだよね?
「いるのはバレてんだからドア開けてよ。」
無言の私を急かすように真紀がそう言ったので私はおずおずとドアを開けた。
開き始めたドアに手をかけ思い切り開いた真紀は
「もうっ、具合いなんて悪くなさそうじゃん。
早退してまで様子見に来て損した。」
言うなり私を残し、何度も来た事がある私の家へと上がり込み、勝手知ったる何とやらで居間へと向かって行った。
唖然とした私が遅れて居間へと入るとさっきまで私がくつろいでいたソファに真紀が座っている。
「愛理も座れば?」
立ち尽くす私に真紀がそう促した。
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