SEXY-POLICE79
「桐―――――」

倒れていく桐野の体を須田は抱きとめる。

胸から流れでる大量の血に床はあっという間に赤く染めあがった。

嘘だ…嘘だ…。これは夢だ、悪い夢だ。

「桐野っ、しっかりしろ!桐野っ。桐野警部補!!」

べったりと染みついた桐野の血に鼻をつく鉄のにおい。
いやだいやだ。

須田は胸に手を当てて出血を止めようするが、流れ出る勢いは止まることを知らない。ひたすら流れ続ける。

「くそっ。止まれってんだ。止まれ」

止まれ止まれ、止まってくれ。ごふっと口から吐き出される赤い血に桐野の瞳がうっすらとだけ開かれた。

「……す…ださん…」

「喋るな、桐野くん」

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