SEXY-POLICE79
須田は自分の服の袖を破り桐野の胸にあてる。白い布は一気に赤い色に染まった。

「もう…いい…。どうせ……俺…は……助からない」

「諦めるな。桐野くん」

助ける助ける、助けてみせる。

どくどくと胸から流れるとめどない赤い血に須田は必死に止血しようと布を握る手に力をこめる。しかし血は止まることはない。遠のいていく意識、見えなくなっていく愛しいひと。

桐野の手が須田の頬に触れる、瞳から流れる涙。

泣かせたく、なかったのにな。

「須田……さん…。おれ……あんたのことが……ずっと…」

「喋るな。桐野!!」

「ずっ…と―――」

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