SEXY-POLICE79
さらっと揺れる冷たい気。これは殺意のこもったものだ。草間は懐中電灯を気配の感じた方向に照らす。誰も―――…いない。そんな…確かに何か異様な殺意を持ったものがこちらを見据えていたのに。

「羽鳥、いま…」

相棒河和も感じた殺意、これはなにかいる…。

「…あぁ。何かいる。俺たちのすぐ近くに牙を剥いて凝視して…」

ふわりと生温かいが風が肌をさす。気配は感じないが、何か異形のものが自分たちを見据えていると。

かんっ、かららら、と物音が近くで聴こえた。
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