SEXY-POLICE79
倶召神も慌ててあとについてくる。空中を飛んで約三時間という短い時間でたどり着いた。貴船神社には警察官がわんさと殺人現場の取り調べを行なっていた。どう見ても侵入不可能な警備体勢、しかしそれは人間であってのこと、死神である自分たちには全く関係はない。草間は警備をよそに早々に、貴船神社まず二の鳥居をくぐるとさっそく背筋に禍々しい邪気を感じた。それもとても怨念深い、息がつまるほどの重々しい殺意や恨みのこもった…。

「これは…なんだ。この禍々しい呪祖の気配は。まだ、未完成とはいえ徐々に成功に近づいてやがる」

呪祖は人に恨みや怒り哀しみがある時に行う儀式の一つ。未完成ということは、素人がこれを行なっているのか。しかし、これは殺人とは全く関係がないこと。関係がないとはいえ呪祖は禁忌の術、もし完成すれば術者の命にも関わる。人を呪わば穴二つということだ。草間は仕事を独断で急遽変更して、呪祖を行なった場所を探すことにすると倶召神が「ダメですよ、仕事を勝手に変えちゃあ。速水さんにどやされますよ」と言う。

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