SEXY-POLICE79
変えたのは変えたがこれも人の命に関わることだ、呪祖が完成すれば呪った者は確実に死においやれる。しかし呪った者も、その代償として命を落とさなければならない。未完成なら、まだ助けることができる。草間は一番呪祖の濃い場所を探す。倶召神はやれやれといった形で彼に従うが、念がどこも強くてどこが一番濃い場所なのか定めがつかない。

「かなりその人に恨みを抱いているんだな。こんなに強い呪祖なんて初めてだ。呪祖をかけられている人も早く見つけ出して浄化しねぇとえらいことになるな。へたすりゃあ命が危ない」

あくまで未完成とはいえこれほどの恨みのこもった呪祖をくらって、きっと苦しんでいるに決まってる。 ヒトがヒトを憎むなんて…ないことだと思っていたけど、今の時代それは当たり前のように繰り返され再生され人間は誰かを憎んで妬んで生きている。生命とはなんのために存在しうるものなのか、生命とはなんのために授かったものなのか。草間が毎晩のように見るあの夢もあれは一体なんなんだ。あの夢は自分に何を語りかけているんだ。目が覚めると思いだそうにも思い出せないあの恐ろしい夢は一体。

「草間さん!人が、人が倒れています!」

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