SEXY-POLICE79
母親はもうどうしていいのかわからないというように、医師にすがりついて「治して下さい」とお願いする。医師は「落ち着いてください」とすがりつく母親の手をはがして、ある薬をさしだす。母親は暫くの間固まった。

「これを娘さんに飲ませて下さい。少しですが痛みが楽になると思います」
母親は「ありがとうございます」といってその薬瓶を受け取りさっそく娘に一錠飲ませた。

「では、私はこれで」

医師は薗箕家を去っていく。去り際に見せた企みの笑みに母親は気づくことはなった。



            ☆☆☆


どうもとんでもないことになってしまった。草間はどうしたものか倶召神と相談した後、決定したのがまず彼の名前つけである。まあそれは記憶がなくとも、浄化せず『死神』になれるのは極限られいるので『死神』メンバーリストから検索すれば済む話しだ。パソコン関係に強いあの男ならすぐにみつけるだろう。草間はさっそくその男と連絡をとる。その時間、約一分とも掛からなかった。

「わかりましたか?」
「ああ」

彼の名は笹木千秋。以前から記憶の一部がなかったという。『死神』が記憶喪失…、自分と―――同じ。
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