SEXY-POLICE79
時刻は申の刻。
今夜は雲がなく線のように細い月がみえる。しかし、警察の張り込み調査は夜が訪れても終わることなはない。ふうと白い煙が細い帯となって天をのぼる。貴船神社本宮を豪快に照らすライト。そしてその周りを囲む警備員たちの完全な檻の中、犯人はどう動きをみせるのか。犯人は必ずこの貴船神社本宮を訪れるそう強く言い放ったのは一人の警部補である。後輩の柳沢は何でそんなことが言い切れるんですかと信用していなかったが、次の事態でそれは信じるしかなくなった。
「せ、先輩!?」
貴船神社本宮を照らしていたライトが一斉に爆発して警備員が悲鳴を上げ、陣を乱され、辺りは一気に闇にのまれていく。冷たい風が肌に触れる。何かが来た…――。そう感じるのはおそらく彼一人だけであろう。他に何人も警備員がいるのに隣にも後輩がいるのに今は自分一人がここにいるようなそんな感覚だ。 ボゥ…、と闇を照らす白い人影が彼の目に薄っすらとだけ見える。それは人間か…。白い光をまとい長い髪が揺れる。風なんて吹いていないのに何故――。
《アナタ ワタシガミエテイルノ?》
脳に直接聞こえる美しい女性の声。
なんだよ……これは。
音が聞こえない。風の声も鳥の声も警備の奴らの声も何もかも聞こえない。
どうなってんだ……?
女性がこちらを振り向いてゆっくりと近づいてくる。二人だけの異空間。何か…やばい予感がすると警部補は後ずさる。逃げなくてはまずい、と頭の中でそう叫ぶ声が木霊し自分に言い聞かせる。けど、それは同時に相手の問いの肯定をあらわすことになる。
《アナタ ミエテルノネ チカラヲモッテル アナタジャマワタシノジャマシナイデ!!》
女性の目がカッと閃光を放ち、見えない力がずしっと警部補の腹を突く。何が起こったのか。警部補はわからないまま地に崩れ咳き込み深い眠気におそわれたのであった。
☆☆☆
今夜は雲がなく線のように細い月がみえる。しかし、警察の張り込み調査は夜が訪れても終わることなはない。ふうと白い煙が細い帯となって天をのぼる。貴船神社本宮を豪快に照らすライト。そしてその周りを囲む警備員たちの完全な檻の中、犯人はどう動きをみせるのか。犯人は必ずこの貴船神社本宮を訪れるそう強く言い放ったのは一人の警部補である。後輩の柳沢は何でそんなことが言い切れるんですかと信用していなかったが、次の事態でそれは信じるしかなくなった。
「せ、先輩!?」
貴船神社本宮を照らしていたライトが一斉に爆発して警備員が悲鳴を上げ、陣を乱され、辺りは一気に闇にのまれていく。冷たい風が肌に触れる。何かが来た…――。そう感じるのはおそらく彼一人だけであろう。他に何人も警備員がいるのに隣にも後輩がいるのに今は自分一人がここにいるようなそんな感覚だ。 ボゥ…、と闇を照らす白い人影が彼の目に薄っすらとだけ見える。それは人間か…。白い光をまとい長い髪が揺れる。風なんて吹いていないのに何故――。
《アナタ ワタシガミエテイルノ?》
脳に直接聞こえる美しい女性の声。
なんだよ……これは。
音が聞こえない。風の声も鳥の声も警備の奴らの声も何もかも聞こえない。
どうなってんだ……?
女性がこちらを振り向いてゆっくりと近づいてくる。二人だけの異空間。何か…やばい予感がすると警部補は後ずさる。逃げなくてはまずい、と頭の中でそう叫ぶ声が木霊し自分に言い聞かせる。けど、それは同時に相手の問いの肯定をあらわすことになる。
《アナタ ミエテルノネ チカラヲモッテル アナタジャマワタシノジャマシナイデ!!》
女性の目がカッと閃光を放ち、見えない力がずしっと警部補の腹を突く。何が起こったのか。警部補はわからないまま地に崩れ咳き込み深い眠気におそわれたのであった。
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