SEXY-POLICE79
にくい…憎い…あいつが憎い……。

もうこの想いをどこにぶつけたらいいのかわからない。溢れだすこの想いを、消えぬことのないこの想いをお前に…お前に。

苦しむがいい…もがくがいい……。

私がどれだけお前を恨んできたか、お前にわかるか。お前のせいでお前さえいなければ…っ。この世にいなければ私は有り様のない幸せに身を寄せていただろうに。すべてはお前のせいだ。お前が悪いのだ。

カーン… カーン…

と鳴る釘をうつ微音。
木ががさがさと葉音をたて、重い空気が貴船神社全体をおおう。
また。

カーン… カーン…

深い念をこめて祈るように金槌をふりかざし勢いよくまた、カーン…と打ち続ける。

駄目だ、早く止めさせなくては。
それ以上したら危険だ、未完成な呪祖が徐々に完全をむかえつつある。
駄目だ!駄目だ…!

女がまた釘を打とうと金槌を天にかざし振るおうとする。

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