SEXY-POLICE79
「草間さん、どうやらまた昨日の夜貴船で殺人が起きたそうです」
笹木と倶召神はどこへいっていたのか中に入って来るなり、いきなり病室のテレビをつけてニュースチャンネルにきりかえる。
『またも貴船神社本宮で新たな被害者が出ました。これで二十人目となりましょうか、犯人は未だ見つかっておりません』
カメラにうつる被害者の死体にはやはり首筋に歯形がついている。自分たちが貴船神社本宮に向かったのは子の刻。その時はまだ死体なんてものはなかったとなるとやはり丑の刻が一番怪しい。相手が霊なら尚更だ。
草間は一服するために煙草を手にすると桐野が俺にも一本といって手渡す。白い煙が天井をのぼり透明になって消えていく。
「まあ、なんだぁ。俺はあまり細かい事は気にしねーたちなんでな。おまえらが何者なのかは追求するつもりはない。目的は同じ、まあ仲良くしようぜ」
「それは、できない」
草間は静かに言う。
桐野は何故だと問う。
煙草の灰がぽとりとおちて草間は己が手をみる。今にも泣き出しそうな表情で汚れきった己が手を。
「あんたはこっち側に来ちゃいけない。こっちに来るべきじゃないんだ」
彼は怯えている、千秋はそう思った。若くして死に、『死神』となってまたこの地に脚を踏み入れた彼。きっといろいろな辛く苦しい体験をしてきたのだろう。記憶のない自分にはわからない感情だが、『死神』とはきっとそんな哀しいものたちを導くための場所だと千秋は思った。
笹木と倶召神はどこへいっていたのか中に入って来るなり、いきなり病室のテレビをつけてニュースチャンネルにきりかえる。
『またも貴船神社本宮で新たな被害者が出ました。これで二十人目となりましょうか、犯人は未だ見つかっておりません』
カメラにうつる被害者の死体にはやはり首筋に歯形がついている。自分たちが貴船神社本宮に向かったのは子の刻。その時はまだ死体なんてものはなかったとなるとやはり丑の刻が一番怪しい。相手が霊なら尚更だ。
草間は一服するために煙草を手にすると桐野が俺にも一本といって手渡す。白い煙が天井をのぼり透明になって消えていく。
「まあ、なんだぁ。俺はあまり細かい事は気にしねーたちなんでな。おまえらが何者なのかは追求するつもりはない。目的は同じ、まあ仲良くしようぜ」
「それは、できない」
草間は静かに言う。
桐野は何故だと問う。
煙草の灰がぽとりとおちて草間は己が手をみる。今にも泣き出しそうな表情で汚れきった己が手を。
「あんたはこっち側に来ちゃいけない。こっちに来るべきじゃないんだ」
彼は怯えている、千秋はそう思った。若くして死に、『死神』となってまたこの地に脚を踏み入れた彼。きっといろいろな辛く苦しい体験をしてきたのだろう。記憶のない自分にはわからない感情だが、『死神』とはきっとそんな哀しいものたちを導くための場所だと千秋は思った。