SEXY-POLICE79
第五章:愛しき想いは己が中に
時刻は丑の刻になろう、ちょっと前。草間、笹木、倶召神の三人は貴船神社本宮の鳥居前に来ていた。人の気配はなく、ざらっと重い風が肌に触れて、木ががさがさとざわめく。
「あんたまでついて来なくてもよかったんだぜ。桐野警部補」
まだ傷口も完治していないのに病室を勝手に脱け出し、草間たちについてきた桐野警部補。正直、ついて来てほしくなかったが、桐野もなかなかと強情な所があり、草間は何も言わず行動を許した。けれどここからは何があっても退いてもらわなければならない。
「馬鹿言え。これは本当は警察の仕事だガキがしゃしゃり出るな」
予想通りの桐野警部補の言葉。
「それとその女の子は一体…」
さっきから桐野警部補に抱きついたまま放れない女の子。歳は四、もしくは六歳ぐらいか、女の子はずっと桐野にくっついたままはなれようとしない。
「まさか…あんたの隠し子とか?」
ごちん、と鋭い音が響き頭に星が散る。
桐野のげんこつだ。
「いってー!」
頭を抑えて唸る草間。
「ちげーよ。ガキ」
「な、殴ることないだろ。ちょっとからかっただけじゃねーか」
「それが気にいらねえんだ。お前が“あの人”と同じことを言うな」
“あの人”とは須田検事のことか。しかし草間には全く面識がない。
「あの人ってだれだよ」
仮にも仕事に来た二人。似たもの同士が。倶召神は「やめてください」と二人のしょうもない喧嘩をとめる。
「けど、不思議だな」
「あんたまでついて来なくてもよかったんだぜ。桐野警部補」
まだ傷口も完治していないのに病室を勝手に脱け出し、草間たちについてきた桐野警部補。正直、ついて来てほしくなかったが、桐野もなかなかと強情な所があり、草間は何も言わず行動を許した。けれどここからは何があっても退いてもらわなければならない。
「馬鹿言え。これは本当は警察の仕事だガキがしゃしゃり出るな」
予想通りの桐野警部補の言葉。
「それとその女の子は一体…」
さっきから桐野警部補に抱きついたまま放れない女の子。歳は四、もしくは六歳ぐらいか、女の子はずっと桐野にくっついたままはなれようとしない。
「まさか…あんたの隠し子とか?」
ごちん、と鋭い音が響き頭に星が散る。
桐野のげんこつだ。
「いってー!」
頭を抑えて唸る草間。
「ちげーよ。ガキ」
「な、殴ることないだろ。ちょっとからかっただけじゃねーか」
「それが気にいらねえんだ。お前が“あの人”と同じことを言うな」
“あの人”とは須田検事のことか。しかし草間には全く面識がない。
「あの人ってだれだよ」
仮にも仕事に来た二人。似たもの同士が。倶召神は「やめてください」と二人のしょうもない喧嘩をとめる。
「けど、不思議だな」