SEXY-POLICE79
「縛、縛、縛。開縛!」

見えない鎖が女を拘束して動きを封じる。あらがう女だが、鎖は断ち切ることなく女の体を締め付ける。

《ジャマヲシナイデ!!ジャマヲシナイデ!!!ネガイガカナウ モウスグ アノヒトガワタシノトコロニカエッテキテクレル ジャマヲシナイデ!!!》

外縛をかけているのに女はなんとかして動こうとする。これが女の執念というのか、その力のせいで鎖がびしびと音をたてる。

外縛が破れる…!助けないと。

しかし記憶のない千秋にはどうしたら彼みたいな力が使えるのかわからない。
どうしたらいい、どうしたら彼の手助けができる。

《ジャマヲシナイデ!!ジャマヲシナイデ!!》

「草間さん!!」
「くそっ。大人しくしろってんだ」

女は何度も邪魔をしないで邪魔をしないでと叫んでいる。そんなになってまで恨んでいる相手なのか。そんなに憎かったのか。

「禍者よ禍者よ。この声は神の声、この声は神の御霊。我が声を聞きて悪しき…!」

《ジャマヲシナイデ!!》

声だけで風が吹き荒れ草間は吹っ飛ばされた。

なんて力だ。死霊の霊が、恨み辛みでここまで狂暴になるなんて。

クククク…と不気味な声がきこえ、女の背後にうごめく黒い影から化物が姿をあらわす。

《クククク……。ムダダゾシニガミ コノモノハモハヤワレガニンギョウトカシタ モハヤシニガミノコエナドキコエヌ》

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