SEXY-POLICE79
右から黄色い嘴に黒色の羽毛をもつ鷹のような鋭い眼球をもつ妖鳥に、左は赤い嘴に白い羽毛をもつ妖鳥二匹が女の体をかりてせせ笑う。

「妖が!!さっさとその女から出ていけっ」

《ソレハデキヌ コノオンナノヤミハワレラガゴチソウ テバナスコトハ デキヌ》

「なら意地でもひっぺがしてやる!」

外縛をかけている間は、術者はその場を動けない。草間はパートナーの千秋に女の体から妖を取り除くための呪文を教える。たとえ記憶がなくてもさっきみたいに体が覚えているはずだ。千秋はそれを聞いて最初はできないと言ったが草間ができると強く言い放つと自身が出できたのか、わかったと言って己が懐から符を手に千秋は草間に言われた通りの呪文を詠唱する。思った通り頭では忘れていても体に染み付いた経験は忘れていない。千秋はすらすらと呪文を唱えていく。

「天枢(貪狼)は初めの星なり。天せん(巨門)は導き、天き(禄存)は未来の意」

千秋は左足をひいて次に右足をひく。そして右足を横に左足をひいてとその繰り返し。

「天権(文曲)は過去、玉衝(廉貞)は 幸福を開陽(武曲)は楽園を奏で揺光(破軍)は滅びの歌を」

千秋が放つ霊気に反応して地に点々と光が放たれた。それは千秋が先ほど足をついていた箇所。それが線を結び何かの図をえがきだす。

これは……?

《ククク…ホクトカ》

妖鳥二匹がそろえて言う。地にえがく北斗七星。

千秋は最後の呪文を唱えて北斗を完成させ符を二匹の妖鳥めがけて投げる。

《―――アマイワ!》

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