SEXY-POLICE79
妖鳥の一匹が大きな翼を羽ばたかせて風の刃で札が無惨に塵と化した。妖鳥は無防備となり一番弱いと判断した千秋を狙って大きな翼を羽ばたかせてかまいたちを生み出す。動けない草間、それを影から見守る倶召神と女の子に防護できない千秋は空気が裂いたような身体の至るところに痛みを感じる。

「千秋!っうわっ」

妖鳥は怒号を上げて草間の外縛を打ち破り女と共に空中を飛ぶ。

逃げる気か。草間は逃がすかと剣印を結ぶが距離がありすぎて術がとどかない。草間はちっと舌打ちする。空中戦では草間特有の陰陽術は効かない。すると妖鳥の一匹が女から離れた。

《シュンヨ ココハワレニマカセ オマエハギシキヲカンセイシロ》

妖鳥の一体がシュンと名を呼んだ。それを聞いた草間はまさかと目をむく。記憶に聞いた最高クラスの妖鳥。シュンとはおそらくあの舜という名だ。と、いうことは右側にいて先ほど舜といった妖鳥は櫂ということになる。彼ら櫂と舜はいつも二体で行動するという。しかし何故、妖が人間の…いや、死霊の手助けをしているのか。

舜は櫂に言われた通り女を儀式とされる御神木の傍に下ろす。草間はさせるかと御神木に近づこうとすると櫂の烈風がそれを阻む。自分には何もできないのか。千秋は痛む傷を抑えて草間と櫂の戦いをみる。
ただ見ているだけなのか、俺は。

「ナウマク・サマンダ・バザラダン・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!!」

放ったところで草間の攻撃は櫂にことごとくかわされて、櫂のかまいたちが逆に草間を襲う。
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