SEXY-POLICE79
《ドウシタシニガミ ハヤクアノオンナヲトメナクテハ ジュソヲカケラレタヤツマデシヌコトトナルノダゾ》

妖鳥は翼を広げ今度は竜巻を巻き起こす。それは一つではなく何個も分裂していった。幾個の竜巻が無差別にあちこちの木々を切り裂いていく。幸いここには木々や岩しかなく壊れて都合の悪いものはない。場所的には好都合のよい場所だ。その竜巻の一つが遠くに避難していた倶召神と女の子まで巻き込む。引き込まれる竜巻に倶召神と女の子は必死に他の木にしがみついているがそれも時間の問題。女の子の手が離される。後ろでは竜巻が刃をかざして待っている。それを見た彼の中で何かが弾けた。

《ナンダト!!》

櫂は愕然とする。

気が付いた時、千秋はいったい何をしたのか竜巻が消えてなくなっていた。見たことのない力だった。草間の眼に見えた千秋の手から見たこのない文字があふれでてきて、それが竜巻を絡み取り粉砕させた。

「お前…」

何者なんだ…。死神の中にこんな力を持った奴がいたなんて。
千秋は自分の力を確認するかのように一度手を握って開き目つきをかえる。

「さがってください。草間さん」

今の千秋からは発する霊力が違う。草間は後ろに下がって女の子と倶召神を連れてもっと遠くのほうに避難させる。

《バカメ チカラニメザメタトコロデコノワレニカトウナドトハ カタハライタイワ!!》

「言いたいことはそれだけか。櫂」

それは彼の口調ではない。まるで別人だ。

「すまないが手加減はできない。まだ俺自身、扱いきれてはいないからな」

冷めた瞳にうつる紫の炎。

《マサカオマエハ…!!アリエヌッアリエヌゾッソンナコトガ!!》

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