SEXY-POLICE79
草間の霊力が壁となり舜の翼を防御する。草間たちが舜と戦闘中のなか、女は未完成な呪詛を完成に導くため最後の仕上げに取り掛かろうとしている。

女は金槌を手に藁人形に釘を打つ。

カーンカーンと小さくも鋭い金属の音。

これで叶う。
これであの人は戻ってきてくれる。

「やめろ――!!」

草間が叫ぶ。妖鳥がせせ笑う。
完成してしまう。呪詛が完成すればあの人もただではすまない。
また俺は誰も救えないまま終わるのか…。
十年前のあの夜の惨劇と同じように。

――どうして…。
――お前は生きるんだ。羽鳥。

最後に言い捨てていった男の言葉。
消えて離れていった大切なひと。
『死神』は悪魔だ、自分はそう思った。『死神』は『神』ではない、『神』にはなれない。闇に身を捧げ、仮面をかぶった悪魔なんだと。でも、どうしてかな。この仕事がやめられないんだ。あの時の自分がもっと強かったら、もっと大人だったら、あいつのことを護ってやれたのかもしれないなって。足手まといにはならなかっただろうなって思ったんだ。
だから今度こそ自分は…!


ズガ―――ン!


響き渡る銃声音。
弾かれる金槌。

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