SEXY-POLICE79
「ふ~。なんとか間に合ったぜ」

黒いスーツが風で翻り木の葉が男の顔をさらけ出す。走ってきたのか額は汗で濡れている。病み上がりの体でなんて無茶をするのかせっかく塞がりかけていた傷口も開いてしまったではないか。本当にいつか死ぬぞ、桐野警部補。桐野は開いた傷口を抑えて鳥の化け物に銃口をむける。やはり見えている、相当な霊力の持ち主のようだ。しかしこいつに人間の武器が効くのか妖鳥はにたりと笑みを浮かべて桐野を見据える。

女は今だと弾かれた金槌を取りにいく。桐野はそれを見てまた一発銃弾を撃って金槌を遠ざける。妖鳥がその隙を狙う。襲いかかる翼の刃。桐野の手持ちの武器ではそれ全部を防ぎきることはできない。

俺はここでは死ねない。俺はこんな化け物にくれてやる命なんてない。

桐野は銃弾で迫り来る翼を撃ち落す。

俺には帰らなくちゃならない場所があるんだ。

「オン・ハンドマ・ダラ・アボキャジャヤ二イ・ソロソロ・ソワカ」

舜の翼の刃が草間の放った符によって瞬殺された。お互いの攻撃がぶつかり合い爆風が吹き荒れる。風が視界を防ぐ、今がチャンスだ。

「桐野警部補、女のほうを頼む」
「わかった」
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