SEXY-POLICE79
「誰がそんな事を言ったんだ」
『銀髪の男のひと。隣の人が「雅希」って言ってたわ』
「――雅希」

ドクンッと撥ね上がる心臓の音。

熱い…気持ちが悪い……吐き気がする。

「草間?どうした。顔色悪いぞ」
「いや、何でもない。それより逃がしたあの鳥野郎を追わねえと」
「追うって、何処に行ったのかわかってんのか!?」

桐野の言葉に草間は口をつぐむ。

向かった先もわからず、当てずっぽうで歩き回るなんてどんなに時間があっても無理がある。ならどうすればいい。自分のせいだ。あの時自分が…自分が。
草間はすごく悔やんでいた。自分の失態を、逃がしてしまったという自分の非力さを。











< 220 / 223 >

この作品をシェア

pagetop