SEXY-POLICE79
まばゆいほどの光があたりを覆いつくす。それは一瞬の出来事であり、俺たちは気づくのが少し遅かった。

豪快に鳴る爆発音に爆風で入り口が音をあげて吹っ飛ぶ。一瞬で炎が炎上した。硝子の割れる音が聞こえ、壁がびしびしと悲鳴をあげる。崩れた天井から落ちてくる大きな石の塊が小さな命を奪う。人間の叫び声が桐野の耳をかすめた。そして意識を取り戻した桐野は軽い頭痛をおぼえる。頭が痛い。桐野は背中に乗った瓦礫の山をどけた。そして辺りを見渡すが砂が舞って辺りがよく見えない。桐野はより目を細めて辺りを見る。みんな無事だろうか、西塔は、と桐野は必死にあたりを見渡した。炎が炎上して瓦礫や窓硝子が足場をふさぐ中、桐野はそれでも諦めなかった。面積上爆発のせいか一部屋だった部屋が、横に二部屋ぐらい追加され面積が広くなっている。

やはりよく見えない。桐野がそう思った時、天井から凄まじいほどの亀裂が入った。崩れてくるかもしれない。案の定瓦礫の山が桐野を襲う。桐野はふらふらとした足取りでなんとか瓦礫を避けた。傷口に少し痛みがよぎる。そんな彼の耳元で風の通る音がした。瓦礫の隙間からは風が流れている。そんな風のお陰で少し視界が見えるようになった桐野は息を飲んだ。

「桐野……警…部補」

爆風で吹っ飛ばされ壁に思い切り叩きつけられた西塔の右側半分は、桐野の心に強く刃を突き立てた。

「西塔!」
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