SEXY-POLICE79
不適な笑みに、飛び散る赤い血。耳をうつ銃声音に、飛び立つ白き鳥。

「うざいんだよ。もう何もかも全部が。だから全部、僕が壊す」

右腕左腕、右足左足と次々と撃たれていく須田検事の口からは、声にもならない悲鳴が響く。冷徹極まりない深帽子をかぶった犯人に、罪悪感というものは毛ほどもないのか、笑みは消えることがない。流れ散る赤い血煙に、薄れていく青き空。

弾がなくなったのかカチカチと弾切れの音が鳴り、犯人はつまらなそうに銃を捨ててぴくぴくと僅かに動きをみせる須田の胸ぐらを掴みあげる。

素顔を明かさない為か深く帽子をかぶった犯人は、にやりと笑みを浮かべてはだけた服のボタンに手を出してきた。さすがの須田検事もこれには驚き、制止の抵抗を示す。

「秘密なんていつかばれる。隠すだけ無駄ですよ」

「うる…さい」
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