SEXY-POLICE79
「柳沢?」

「桐野っ、いえ、せ、先輩はっ、先輩は無事なんですか?」

「あぁ。いま手術が成功して終わった所だ」

すると柳沢は良かったと胸を撫でおろす。それほど彼も桐野警部補のことが、心配だったということだろう。柳沢は署長の隣に腰を下ろして、いま手術を行なっている須田検事の無事を祈るばかり。

「まさかひったくり犯を追っかけて行った須田さんまで襲われたなんて、やっぱり僕もついていくべきだったのかなぁ」

独り言のように須田を一人にしたことを後悔する柳沢に、署長は違うよと彼を慰める。しかし、慰めはしょせん気休め程度にしかならない。須田に怪我をさせたのは自分のせいだと、責任感を感じる柳沢。

< 44 / 223 >

この作品をシェア

pagetop