SEXY-POLICE79
突然の後ろからの声に柳沢は驚いた声を上げた。東京中央地検でクールビューティとして有名な須田修一検察官が姿を現した。彼はすぐに桐野の存在気がついた。そして桐野の様子の変化にも、彼は誰から聞く訳もなく気がついたのだ。

「桐野くん?」

須田は思いきって声をかける。一、二回須田が声をかけてやっと気がついた桐野は、半分ねぼけた顔で須田を見上げ、いつもなら表情が柔らかくなるはずがまた遠くを見つめる。本当にどうしたのだろうか。須田は諦めずもう一度声をかけようと口を開きかけたとき、桐野が突然椅子から立ち上がった。
< 5 / 223 >

この作品をシェア

pagetop