SEXY-POLICE79
「西塔…」
「早くしろっ。時間がないんだ!」
西塔は叫んだ。爆弾の時間はどんどん短くなっていく。
生きてほしいんだ。おまえには俺の分までいっぱいいっぱい。
爆発まで残り五分を切った。桐野はくそっと壁を殴る。それは苦渋の選択だった。残り五分あったところで爆弾処理班が到着するにはこの距離なら三分は十分にかかる。そうなれば二分で爆弾を処理しなくてはならない。しかし生憎今まで爆弾を二分で解体したなどという話しは聞いたことがない。まずあり得ない。よほど精神を集中させ手先が素早くなければ爆発物解体はそれだけ精神力を有するからだ。そうなるとやはり全員を避難させるしかない。でもそうなると西塔はどうなる。桐野はぎりっと唇を噛み締める。そして西塔の顔を見た。西塔は桐野の言いたいことがわかっていたのかもしれない、首を横に振って彼は霊安室に向かう。どうせ死ぬならと彼が選んだ死に場所だった。
残り五分三十秒、桐野たちはすぐに動きだした。犯人がここを見ている可能性も十分にあった。けれどそれなら彼と話をしている間に犯人から伝言か口封じなら即刻爆弾のスイッチを押す事だってできたはずだ。しかし現にそれはない。となると犯人は近くには居らず、遠くの方で外から見物している可能性も出てくるわけだ。桐野は悩んでいた。須田もおそらく考えていることは彼と同じだろう。爆発まで残り五分二十秒、須田が口を開いた。住民を避難させようと。見たところ西塔に盗聴器などは仕掛けられていなかった。建物からの見物は今日の陽射しを考えて双眼鏡など光の反射でばれる可能性もある。あくまで高みの見物が好みなら残り五分、住民を避難させるには十分な時間だ。もう余計な推測など立てていられない。
「早くしろっ。時間がないんだ!」
西塔は叫んだ。爆弾の時間はどんどん短くなっていく。
生きてほしいんだ。おまえには俺の分までいっぱいいっぱい。
爆発まで残り五分を切った。桐野はくそっと壁を殴る。それは苦渋の選択だった。残り五分あったところで爆弾処理班が到着するにはこの距離なら三分は十分にかかる。そうなれば二分で爆弾を処理しなくてはならない。しかし生憎今まで爆弾を二分で解体したなどという話しは聞いたことがない。まずあり得ない。よほど精神を集中させ手先が素早くなければ爆発物解体はそれだけ精神力を有するからだ。そうなるとやはり全員を避難させるしかない。でもそうなると西塔はどうなる。桐野はぎりっと唇を噛み締める。そして西塔の顔を見た。西塔は桐野の言いたいことがわかっていたのかもしれない、首を横に振って彼は霊安室に向かう。どうせ死ぬならと彼が選んだ死に場所だった。
残り五分三十秒、桐野たちはすぐに動きだした。犯人がここを見ている可能性も十分にあった。けれどそれなら彼と話をしている間に犯人から伝言か口封じなら即刻爆弾のスイッチを押す事だってできたはずだ。しかし現にそれはない。となると犯人は近くには居らず、遠くの方で外から見物している可能性も出てくるわけだ。桐野は悩んでいた。須田もおそらく考えていることは彼と同じだろう。爆発まで残り五分二十秒、須田が口を開いた。住民を避難させようと。見たところ西塔に盗聴器などは仕掛けられていなかった。建物からの見物は今日の陽射しを考えて双眼鏡など光の反射でばれる可能性もある。あくまで高みの見物が好みなら残り五分、住民を避難させるには十分な時間だ。もう余計な推測など立てていられない。