SEXY-POLICE79
あの世の世界?鍵?彼はいったい何を言っているのか桐野は全く理解不能だ。
そして、その『鍵』が自分なのだと突然言われても理解しろという方が無理がある。男は桐野の理解仕切れていないことを悟ったのか、けれども説明するのでもなくソファから立ち上がっただけで笑い続ける。

「妃影様、準備が整いました」
「わかった。下がれ」

妃影がそう言うとぺこりと一礼して下がる。

「さぁ、準備は出来たわ。あとは鍵であるあなたがあの中に入るだけよ」

突然口調が変わった。帽子から隠していた長い漆黒の髪がさらりと揺れる。

「……おんな」
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