SEXY-POLICE79
「すまないね、見ず知らずの女性にこんな」

「いいのよ。脱いだ服は直ぐに洗濯するから着替はこれね」

にっこりと笑う未だ名も知らぬ女性に、手渡されたのは桐野が着そうな真っ黒なスーツ。須田はそれを持ってお風呂場に向かい、いそいそと着替え始める。ぱさり、と露になる日に焼けない白い肌に、傷でも負ったのか胸の回りに巻かれたさらし。ふと、須田はひったくり犯に言われたことを思い出した。

「隠しても無駄、か」

いくらさらしで覆った所で隠し切れないものもある。須田はさらしをほどいた。細いラインにふわりと膨らみのある胸。

「これが…現実」

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