ラブリー・トライアングル
圭の包み込むような笑顔で癒された私は、とたんに素直になり、ユキに「ごめんね」と謝った。

ユキのほうも満更ではなさそうに、じっと私を見つめ返してくる。


「仲直りした?」


穏やかな笑みを浮かべた圭に訊ねられて、私とユキはこっくりと頷いた。

ユキがふいに身体を動かし、ソファの端っこに寄る。

どうやら、私の座る場所を空けてくれたらしい。


私はユキの頭を撫でて、「ありがと」と笑いかける。

照れ屋なユキは『ふん』と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。


私と圭は顔を見合わせ、同時にぷっと噴き出す。


「ほんと、ユキはツンデレね」

「そこが可愛いんだけどな」

「あー、はいはい」


私は少しだけむっとして、それでもなんとか気持ちを抑え込み、圭の隣にぴったりと座った。

圭が目を細めて私の肩を抱き寄せてくる。


「もちろんミカも可愛いよ」

「………ありがと」


私は圭の首に腕を回して、ぎゅうぎゅうと抱きついた。


「ちょ、ミカ、くるし」

「もっと苦しめ! 私はいっつも嫉妬に苦しんでるんだぞ!」


さらに腕に力を込めてやると、圭があははと笑う。


「またそんなこと言って」

「だって、ほんとなんだもん!」



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