ラブリー・トライアングル
私たちのやりとりを見ていたユキが、『私もかまって』というように圭の袖をひっぱる。

圭は目尻を下げて、ユキの頭も撫でた。

ユキが満足げに目を細める。


くっ、手強い!



私の最大のライバル―――ユキ。

私と圭のラブラブライフに突如はいりこんできた闖入者。


ユキは、今から半年前のある日、圭が突然うちに連れ帰ってきた。


『この子、うちで面倒見てやっていいかな? 帰る家がないらしいんだ』


圭はそう言った。

その圭が連れている女の子は、全身ずぶ濡れで、がりがりに痩せ細っていて、

おまけに世の中の全ての人間を疑うような鋭い目つきをしていて………つまり、見るからにやさぐれていた。


『もちろん! こんな子、ほっとけるわけない!』


私は二つ返事で快諾した。


お風呂に入って、ごはんをたらふく食べたその女の子は―――ものすごく可愛かった。


くりくりとしたつぶらな瞳。

整った顔立ち。

雪のような色白の肌。

きれいなつやのある髪。


あまりの愛らしさに、私と圭は夢中になった。


無口で無愛想だけど、それも含めて可愛い。


………そう、思ってたんだけど。



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