ラブリー・トライアングル
「ああ、おいしかった! ごちそうさま」


食事を終えた圭が、私に向かって手を合わせて微笑む。

その隣には、ユキがちゃっかり座っていた。

でも、それは見ないことにして。


「お粗末様でした」


私が頭を下げると、圭は「本当においしかったよ」と嬉しいことを言ってくれる。


「仕事の疲れもふっとんじゃうな」

「ほんと!? よかったあ」

「いつもありがとね」


あたたかい労りの言葉。

もう、圭ってば、なんて優しいんだろう。


「お風呂、沸いてるよ。入る?」

「え、お風呂まで沸かしてくれたの? ほんとありがとう!」


圭は身を乗り出して私の頭をくしゃくしゃと撫でてくれる。


ああ、幸せだ………。

こんなことしてくれるなら、お風呂だって温泉だって沸かしちゃうよ、私は!


「洗い物は俺がやるからね。ミカはゆっくりしてて」


圭が真剣な眼差しでそう言う。


「いいよ、私やるよ」

「いや、俺がやるよ。仕事から帰ってすぐ炊事じゃ、休む暇もなかっただろ? あとはゆっくりしなよ」


もう、ステキすぎるよ、圭。

そりゃ、ユキだって、圭のこと好きになっちゃうよね………。



< 6 / 15 >

この作品をシェア

pagetop